受賞対象の詳細
- 背景
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個人オーナー様の案件です。計画スタート当時も建設コストは高く、コストを削減しつつ、品質を落とさない建物を計画することが求められました。また、この敷地のように商店街スケールのまちに大型マンションが林立し、うなぎの寝床のような敷地が取り残されているケースがよくあります。そのような敷地でいかに品質よくコストを抑えた建築ができるかというチャレンジ精神をもって企画をたてていきました。
- デザインコンセプト
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細長平面をプラスに捉えた土間状廊下。建物プロポーションに調和する閉じすぎず開きすぎない奥行ある立面。
- 企画・開発の意義
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周囲に投資マンションが建ち並ぶなかで、間口が狭いために重機が入らず施行が困難という理由で、空地のままの敷地をよく拝見します。我々の提案では、コラムと鋼管杭を併用したアットコラム工法を採用するとともに、純ラーメン構造のシンプルな躯体構造とすることで、施行性を容易にしました。これまで敬遠されがちであった場所に新たな価値を見いだすことができたと考えています。
- 創意工夫
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この建物は、貸し床面積を最大限確保するために、法規制の建物塔状比の最大をめざして、建築をしました。そのため、地震時の水平力による建物の引抜き力を抑制するために、建物の重量を極力減らす計画としています。そこで、我々は外壁に乾式のパネル材料を選択しました。施行性がよく、建物の外壁に使用される汎用性のある材用ですが、規制サイズが決まっているため、目地等のデザインコントロールが難しい面を合わせ持っています。我々は、建物のプロポーションを尊重し、パネルの比率もプロポーションに限りなく揃えていくことで、目地のような細部においても、同じコンセプトで統一することに心がけました。また、道路に面する立面には、押出成型セメント板を無塗装で使用することで、パネル1枚1枚の異なる風合が、スケールコントロールで調和する、ムラと調和のコントラストを楽しむ外観デザインとしました。
- デザイナーの想い
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この建物は、前面道路に対して、建物の中と外の間に、約50%の割合で開口を設けた、外壁(スキン)でワンクッションをおいています。外部に対して閉じすぎるでもなく、開きすぎるでもない、中間を目指しました。外部の心地よさを適度に取入れた、外部環境との50/50な関係を、都心の立地で楽しんで頂ければと考えています。








